「ハー」
「…」
「ハー」
「…」
「ハー」
「…」
「…ハー」
「……悩み事ですか、蛭魔先輩」
「あー、気が利くじゃねぇか糞長男。丁度いい、俺の悩み事を聞け」
「自分から話題振っといてアレなんですけどお断りさせていただいても」
「おいおい、また逃げるのか?」
「…またって言葉が気に食わねぇ」
「まー、座れとりあえず」
「先に言っとくが俺にはどうしようもできません、では先に失礼いたします」
「いいや、こいつをどうこうしろっていう悩みじゃねェ」
「ハァ?」
「こいつが俺の膝の上で堂々と寝ているのは何故か、という悩みだ」
「オイ、聞こえるぜ」
「片耳だが耳栓はしてある」
「まぁ、おまえのことが好きってことじゃねぇの?つーかそれ俺に聞くって厭味にもほどがあるだろ」
「脅迫手帳にはそんなネタねーぞ」
「そのIQが無駄に高いであろうその頭の中には刻み込まれてるんだろ」
「部室で告白なんて阿呆な事するからだ」
「…」
「残念ながらお前のオナニーのオカズになるような関係じゃねぇぞ」
「うざ」
「おいおい帰るのか、糞糞糞長男」
「帰らせろよ。もう自慢話はこりごりだっつーの」
「こっちは真剣に悩みを相談してんだ、アドバイスくらいしていけよ」
「姉崎先輩は俺にこんなことしないので蛭魔先輩に好意を抱いていると思います、以上」
「この女、男に対する距離感が若干おかしいんだ」
「知ってる、よーく知ってる」
「そりゃ大好きだもんなァ、姉崎先輩」
「…ほんとウゼェな、アンタ」
「で、もうひとつだ」
「もう帰っていいっすか?この後黒木とトガと飲む約束してるんで」
「まぁまぁ、最後まで聞け」
「まぁまぁじゃなくて」
「じゃあお前は数分後、俺とここで缶ビールを飲む羽目になるぞ」
「予言?」
「予言なんてそんな曖昧なもんじゃねェ。確信を持って言える。それどころか30秒後には兄弟達に ドタキャンメールを入れさせることも可能だ」
「大学入って超能力のお勉強でもなさったんですか。 泥門を卒業で離れてる1年でそんな変わるとはあの蛭魔もすっかり落ちぶれたもんだ」
「悪いが地に足がついてねぇ話はお断りだ」
「だろうな」
「ビールはお前のおごりだぞ。発泡酒買ってきたら殺ス」
「ここで飲むのを前提に話を」
「寝起きのこいつの飲み物はウーロンでいいぞ」
「だからな話聞けって」
「おし、今20秒だな」
「おい」
「俺は大学入ってすぐ姉崎まもりに振られてるんだ」
「…」
「ついでにコンビニでフライドチキンも頼むな」
「………」

「トガ、悪ィ、今日いけねぇわ」
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